画像出典:ぱくたそ
こんにちは。暮らしのデザイナー 兼 建築家のやっさんです。
今回は住宅の構造について書いていきます。住宅というと、木造住宅が一般的ですね。みなさんが次に思い浮かぶのはコンクリート造だと思います。印象としては、コンクリートは丈夫だけど高い、というところでしょうか?実際のところを見ていきましょう。
どちらも問題なし!最低限の性能は保証されている。
詳しく説明するのは別の機会としますが、近年は耐震性能や断熱性能など建築基準法により最低限の措置は義務化されております。
新築の木造であれば壊れやすい、寒いといった心配はありませんし、特別燃えやすいということもありません。比較した特徴としては…
- 木造
- ・比較的安い。
・シロアリは防蟻剤を木材に塗布して対策。
・暖かく、柔らかい。湿度調整機能がある。
・増築、改築がしやすい。 - コンクリート造
・比較的高価。
・シロアリの心配は無い。
・コンクリートむき出しだと冷たく、硬い。断熱によっては結露が発生。
・一部のみ壊す、ということが難しいので、増築や設備配管の修理に注意。
…この特徴も比較した場合の話であり、結局は設計次第と言うことができます。
建築基準法は今も改正中。断熱や耐震の歴史は浅い。
そうは言っても木造は燃えやすい、寒い、地震で崩れるというイメージの人もいるでしょう。
実は、それらは全て50年、100年前の古い住宅であることが多いです。
そもそも震度7の地震というのは、1995年の阪神淡路大震災が観測史上初めて。その後震度7に耐えられるよう、2000年に基準法が改正されました。
断熱材も、昭和40年代(1965年代)に北海道で使われ始めたのが最初です。それまでは籾殻などを入れていました。省エネ法が制定されたのは1979年、その後改正され続けております。
火事に関しても、周辺の住宅と距離をとる(離隔距離)、住宅密集地域では防火の措置をとるといった義務があり、古い民家が並ぶ通りでない限りは大事にはなりません。
木造でもシロアリは大丈夫なのか?
正直言うと、これも設計次第です。一応、建築基準法では防蟻剤を地面から1mの部分は塗布することが義務付けられています。この防蟻剤にも種類があり、それによって効果や使用期限が違います。
コンクリートは燃えない、壊れないという幻想
木造とは逆に、コンクリート造は燃えないし丈夫で長持ちという印象の人が多いと思いますが、そんなことはありません。
そもそも、火事は内部で起こった場合、家具や内装材から燃えていきますので、構造はあまり関係ありません。コンクリート自体も2時間程度で内部の鉄筋が融解し、崩れる可能性が出てきます。
また、木造よりも確かに地震には強くなりやすいのですが、一度修理しなければならなくなると大変な手間がかかるのがコンクリートです。酸性雨や潮風で中の鉄筋が錆びる、ヒビ割れから雨が侵入して鉄筋が錆びる、配管などの修理のために壊すなど、色々考えられます。
結論:設計者の得意な方を。住宅が得意な人は木造がほとんど
暖かいけどシロアリとかが不安な木造か、冷たく硬いけど丈夫そうなコンクリート造か…。
やっさんの考えとしては、設計者が得意な方を、後はみなさんの好みで(笑)
設計次第で快適で丈夫な住宅は作れます。木造の火事・シロアリ対策も、コンクリートの結露・修理対策も設計で色々と対策方法があるのです。
ただし、コストや快適性の面から、住宅設計は木造がほとんどです。当然設計者も木造が得意な人が多いです。どうしてもコンクリートのカッコよさに憧れる…、という場合は、コンクリート住宅を多く手がけている設計者を探してみてください。
それでは。