建築業界

ハウスメーカー・工務店・設計事務所の違いは?どこに依頼するのがいい?

こんにちは。暮らしのデザイナー 兼 建築家のやっさんです。
建築を職とする者として、暮らしの助言をまとめた場所を作りたいと思い、ブログを始めました。

家の耐久性・断熱性・価格・健康・メンテナンス、などなど…。

このブログでは、家・そしてそこでの暮らしの疑問についての答えを知れる場所にできればと思います。

今回は設計を頼む企業の3タイプ、
ハウスメーカー・工務店・個人設計事務所の違いについて書いていきます

まず結論!ぶっちゃけ、企業と人によります

身も蓋も無いことを言ってしまうと、タイプで完全に分けることは難しく、企業しだい、さらには企業の中でも担当者によって変わってきます。

一つ言えることは、大手の企業は対応が硬めで、中小企業は柔軟な対応をする傾向があるということです。
これは設計業界に限らず、大企業は利益を得るため効率的にシステム化されるので、多くの場合そういうものです。

その代わり大手は長年の経験からしっかりと品質を確保する傾向にありますが…、
住宅は基本的に特注品(オーダーメイド)になりますので、完全なシステム化は難しく、
大手でも雑な施工をされたり、住みにくい設計になる場合もあります。

以下の表でざっくりと各企業の傾向をまとめました。

  柔軟な対応 価格 性能 デザイン 特徴
大手HM 柔軟さは無いが、品質確保
工務店 ◯〜◎ 設計のプロは少ないが、施工経験を活かし良品質
個人設計事務所 △〜◎ 柔軟な対応と設計に特化した知識
ローコストHM × 薄利多売に見合った性能と対応

あくまで参考としてみていただければと思います。
大手ハウスメーカーに頼んでも、対応が悪い営業や雑な施工会社に当たることもあります。
逆に個人設計事務所でも、しっかりと性能まで考え抜いてくれるところもあります。

値段:大手ハウスメーカーは意外に高額!

一番気になる値段ですが、大手ハウスメーカーは高い傾向にあります。量産体制が整っているので原価は安いのですが、広告費や営業の分高くなっているのです。
最大手ハウスメーカーで、坪単価100万円前後です。
オプション費用などで増額してくるので、広告の値段は鵜呑みにしないように。

一方で工務店や個人設計事務所は予算に合わせて既製の流通品と特注品を組み合わせて設計します。坪単価は平均50〜100万程度です。

坪50万以下も不可能では無いのですが、
あり合わせの材料や合板むき出し、壁がほとんどないなど、少し特殊な家になります。
坪70万程度が現実的でしょう。

ここでのローコストハウスメーカーは、
一気に100件くらい同じデザインで、まとめて建てる建売住宅のイメージです。
立地もデザインも選べませんが、坪50万以下で買えます。
アフターサービスも値段相応の覚悟が必要でしょう。

※1坪=畳2畳分=約3.3㎡。4人家族ならば30〜35坪が一般的。

デザイン:個人設計事務所>工務店>ハウスメーカー

また、デザインは工務店や個人設計事務所の方が自由度があり、柔軟に対応してくれます。
特に設計事務所はデザインを売りにしているところが多く、要望を聞き入れ、センス良く仕上げてくれるところが多いです。
ハウスメーカーは工場で規格品を量産し、家具・設備もメーカーと提携している分選択肢が狭いです。プラン自体も柔軟ではありません。

性能:大手のハウスメーカーが安定

いままで良いところなしのハウスメーカーですが、大手企業が多いので性能がしっかり確保されてます。

個人設計事務所や工務店はほとんどが小規模な企業なので、性能は企業ごとにばらつきがあります。しかし、柔軟な対応をしてくれるので具体的に頼めば問題ありません。

また、建築の寿命やメンテナンス費用に関わる耐久性に関してですが、大手企業の方が長年のノウハウの蓄積からある程度信頼できます(もっとデータを公開して欲しい)
一方で個人設計事務所でも、豊富な知識を用いて耐久性まで考慮してくれるところが多くなってきました。

注意として、建築は20年、30年という長い年月で耐久性が分かってくる物です。大企業であっても最新データは収集できていないはずなので、あまり信頼し過ぎず、他の項目で判断してもいいでしょう。

まとめ:こんな人には、ここがオススメ!

以上から、要望ごとにオススメの企業を考えてみます。

大手ハウスメーカー
とにかく性能重視な人

工務店
多少のこだわりや要望がある人

個人設計事務所(建築家)
デザインを重視したい人、こだわりや要望が強い人

ローコストハウスメーカー(建売)
とにかく価格重視の人

繰り返しになりますが、
大手企業や、
テレビで見る有名建築家ならばすべて◎、とはいきません。
大手は利益を得るための対応の硬さがあり、有名建築家の中にはファッションでいう「モード系」のような、見た目重視の家を建てる人もいます。

名声や会社の大きさよりも、結局は自分で調べ、実際に相談に行き、納得のいく設計会社を見つけるのが一番です。
そして、そのための予備知識をこのブログなどで身につけていただければと思います。

以上、みなさんの暮らしのヒントとなれば幸いです。
それでは。